来賓とは 招く方も気乗りせず、招かれる方も迷惑 みんな不幸の図式
来賓とは日頃から陰ながらお世話になっている方などを指します。
来賓の方をお招きするのは、日頃のお世話に対しての感謝を表明しての行為です。
誰にとってお世話になっているのか、それは学校にとってお世話になっているお方ということになるのでしょう。
実際の学校行事などでお目にかかる来賓とはどんな人なのでしょうか。卒業式や運動会などの場合で考えてみましょう。
- 地方議員
- 教育委員会
- 地域のお年寄りなど
議員とは、地域の市会議員などの地方自治体の議員さんのことです。
招く方の立場で考えると、議員さんは地位をお持ちの方であり、扱いは少々面倒なのは事実です。是非来てくださいではなく、どちらかと言うと来てくださるという雰囲気です。
一方で招かれる立場では、地域の住民との大切な接点の一つであり是非とも出席したいという意向でしょう。なにせ政治家と呼ばれる職業ですから。
教育委員会とは2つの意味があります。教育委員会を構成するメンバーと、教育委員会の事務局のメンバーです。
招く方として、学校側の教員の立場では同じ教育の現場にたずさわる意味では直接お世話になっているのは事実です。日頃お世話になっているとしても、学校運営上で関与しているわけであって、子どもたちが直接に面することは一切ありません。
招かれる立場では、教育委員に選任されたメンバーは名誉的な意味もあり来賓として招かれるのは歓迎する人もいるでしょう。しかし、中には教育委員会事務局のメンバーが来賓として招かれるケースもあります。
こちらは実は単に役所の事務職員の方であったり、教員であったりするのです。
こういうケースでは招く方も、招かれる方も微妙な感じでしょう。
最も学校として来賓にふさわしいのが地域のお年寄りなどの方でしょう。子どもたちの祖父母の方もいたり、学校の隣近所にお住まいの方もいたり、直接子どもたちと顔を合わすことも多い人たちです。
招く方の立場では、心から感謝の気持ちで招くことができるでしょう。また、来て頂けるかという心配もする必要があるのは前述の人たちと大きく異なる点でしょう。
招かれる方は、素直な謙虚さで招いて頂いてありがたいという気持ちで参加されるでしょう。
言わば本当の意味での来賓とはこういう関係なのではないでしょうか。
来賓には特別な場所が必要 来賓席とは
運動会では来賓席と呼ばれる場所を設けます。テントがあるところにスチール製のイスを並べて、そこに来賓の方に座っていただきます。
入学式や卒業式も教員の座る椅子の並べているところの一番目立つところに来賓席が配置されます。
学校にとってはお客さんとして招いている人たちですから最もいい場所なのは当然でしょう。
来賓の挨拶は本当に必要なのか
卒業式などで最も代表的な来賓の役目は「来賓代表によるご挨拶」などという儀式ではないでしょうか。
式に出席しているみなさんとほぼ関わり合いのないご来賓の方からのお話があります。
お話を聞く側も何か特別なものを期待するわけでもなく、お話をされる来賓の側だってもしかすると同様な考えではないでしょうか。
主役の人たちを引き立てるべく、卒ない挨拶にとどめる。または、アピールの機会ととらえてご主張されたり。。
この春の卒業式では、なるべく時短で実施されたかと思います。必要最小限な式にする。
その結果、世間では来賓挨拶などは無くて正解などという意見も多数ありました。
こういうきっかけが無ければいつまでも同じことを続けるということになりかねません。
心の中ではみんなの気持ちが一致しているのに、きっかけがないために何も変化しないということはこのこと以外にもきっとあることでしょう。
まとめ 儀式に必要な演出なら再考してみましょう
来賓の挨拶が単に卒業式などの行事の中のリストの行を増やすために存在するのであれば、辞めたほうがいいかも知れません。
必要な無駄という考え方もある程度は許容するべきではあります。文化的な意味などが存在するのであれば。
例えば大相撲も取組を始まるまでには何度も立会いを繰り返します。勝敗を決める一戦を交えるだけという意味では全く無駄な行為にも取れます。
しかし、立会いを繰り返すことは大相撲の文化としては必然なものです。
やっている力士たち、行司の人たち、観戦する人たち全て辞めて欲しいとは思っていないわけです。全てワンセットの大相撲の文化なのです。
その様な誰もが存在に意義を唱えないものかどうかで判断するのが良いかも知れません。
学校の行事の内容を判断するのは私たちではありません。学校の先生方に託します。
古い習わしを再考するチャンスです。
今は不要なものを減らす議論をしてきましたが、新たな何かを取り入れることも一つの選択肢とするのもいいかも知れません。
減らすことに対する反対があるのであれば納得できる理由の一つで新しい必要なものを考えていければいいかも知れません。
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