PTAでGoogle Workspaceを利用する Techsoupに登録できる条件とは
たくさんの方から、お問い合わせを受けているGoogle WorkspaceをPTAで利用することについて説明していきたいと思います。
Google Workspace for Nonprofitsは非営利団体向けとして無料利用の提供がされています。
この「非営利団体」というのが実はポイントになっており、手続きがうまく進まないというのが実態です。
どうしてうまくいかないかと言うと、Techsoupの登録で壁に突き当たってしまうからです。
最初に結論を申しておきますと、法人格を有しない団体はTechsoupへの登録をすることができないと言うことなのです。
Techsoupテックスープとは
PTAなどの団体が、登録できる団体かどうかをチェックするのがTechsoup(以下、テックスープ)です。Techsoupジャパン
このテックスープでは、登録するPTAが「非営利団体」かどうかを判断します。
基準を満たす団体なのか、そうでないかをソフトウェアメーカーに代わって確認をします。
なぜかと言うと、単なる個人などが不正にソフトウェアなどの無償利用を行うことがないようにチェックをしなければならないからです。
もう少し具体的に説明しますと、あなたのPTAがソフトウェアを無償利用できる団体かどうかは法人格を有するのかで判断されます。
つまりあなたのPTAが法人登記されているかどうかということです。
えっ、PTAを法人として登記?と驚かれる人が多いかと思いますが、実際に登記されているPTAも存在するのです。
法務局で法人登記されますと、その団体には法人番号が付与されます。
テックスープへの登録時には、この法人番号が必須項目となります。言い換えると、法人登記されていない団体をテックスープへ登録することはできないわけです。
従いまして、Google Workspace for Nonprofitsを利用することができるPTAは法人登記されたPTAのみとなるわけです。
法人登記してまでハードルを超えるべきか
法務省:一般社団法人についてのリンク
結論から申しますと、一PTAがそこまでする必要はありません。
ほぼ不可能なことです。(手続き上の話ではありません)
もう少し上部組織や、外部からの支援などなくしては到底実現できることではありません。
たとえ今、無理して法人化しても、さらにこれを維持していくことはとても困難なことです。
ご存知の通り、PTAの日常業務だけでさえ片手間にするのは大変なところに、法人組織維持の業務をするなど到底無理難題です。
本当に誰もPTA役員になる人がいなくなります。
Google Workspace for Nonprofitsがなくとも同じことは実現できないのか
Google Workspace for Nonprofitsがあればグループウェアとしての機能や、ストレージが組織として利用できるのが魅力的です。
少しじっくり考えてみましょう。この部分は別に代わりになるものがあれば、それで済むわけですよね。
Google Workspaceとしては、
主要なオフィスアプリであるスプレッドシート、スライド、ドキュメントに加えGメールなどがあります。
これらのアプリの個人アカウントによる利用は無料です。
別にGoogle Workspace for Nonprofits版を利用しなくても資料作成だけなら困らないわけです。
不都合な部分を別のやり方で回避すればいいのです。
- グーグルドライブ→ファイルの共有のストレージ機能
- グーグルカレンダー→スケジュールの共有機能
- グーグルフォーム→アンケート機能
この辺りのものでしょうか。
Google Workspace for Nonprofitsを利用する目的で最も期待するものは共有ドライブの利用でしょう。
過去のデータがずっと同じ場所に保存されるというものです。引き継ぎもそこにあるデータを見れば済むというやり方が可能になり便利ですね。
個人ドライブでの活用を考える
単純にグーグルドライブを個人利用することをルール化していくものを考えてみましょう。
ただし、そのままではUSBメモリの運用と何ら変わらないので、少し別の考え方が必要です。
毎年代わるPTAの構成員とは別に、もう少し長い期間携わる外部の協力者などのアカウントを利用させてもらうなどです。
学校の教員の方に協力いただくのも良いかもしれません。
問題解決に必要なところのみ、協力者の仲介を模索してみましょう。
学校の仕組みを利用する
学校の校務システムなど、GIGAスクールの一環で最近では導入、利用が拡大しつつあります。
クラウドの校務システムなどの場合には、もちろん共有ドライブの利用があります。
導入しているシステムにもよりますが、特別な権限を有するユーザーとしてPTAからも特定のドライブを利用させてもらうということを相談してみることも一つの手かもしれません。
すぐそこに利用できるものが実はあって、ちょっとした手続きで利用できる場合もあります。教員の方、情報システム担当の方などにご相談してみるのも一つです。
まとめ Google Workspace for Nonprofitsで実現することを見極める
物事によくあることとして、目的と手段を取り違えてしまうことです。
Google Workspace for Nonprofitsを利用するのは現実的ではないハードルがあり、それを何がなんでも乗り越えるよりも、脇道を見ると案外近道があったりするものです。
絶対に避けられない問題と、別の代替手段でクリアできることを分けて考えてみましょう。
もしかすると、PTAが単独で考えるよりも誰かに相談することで比較的簡単に解決する方法があるかもしれないと言うことです。
たとえば、今導入が進みつつある校務システムです。この校務システムにドライブ共有などのPTAの業務に役立つ機能があればなんの苦労もいらないわけです。
下はGIGAスクールの全体イメージです。
参考までに学校で採用されている校務システムのサイトのリンクを紹介します。(上図の自治体とは無関係です)
文科省の「校務支援システムの導入の手引き」という指針があります。リンク
目的はあくまで校務とされていますが、PTAも学校に関する事務を取り扱うことから同じ枠組みで対応してもらえたらありがたいものです。
校務システムの検討は地域の教育委員会事務局と、各学校の情報担当の教員等で行われます。
学校へ相談するのも一つですが、地域のPTA全体として自治体の教育委員会へご相談することも早道かもしれません。
そういった場面に、PTAに関する事務処理についての要望が反映されるようにすることで、システムの仕様書に盛り込まれ提案するメーカーも実現に向けて対応していきます。標準機能で盛り込まれるか、カスタマイズが必要かなど。
PTAを発展、効率化させるには皆さんの努力が不可欠ですよね。
様々な関係者を巻き込み、たくさんの人に相談しながら困難な問題に取り組み、楽に活動できるようにしていければと思います。
そのために必要な情報など今後も提供し、お役に立てるようにしていきたいと思います。
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